MEOとは?具体的なMEO対策方法と上位表示のポイント
皆さんは飲食店や美容室などのお店を探すときにどのように探しますか?
近年、お店を探すユーザーの検索行動は、オーガニック検索(SEO)だけでなく、マップ検索から店舗情報へアクセスするユーザーが増えてきています。
特に、Googleマップを始めとした地図アプリを活用した集客施策は、商圏内のターゲットユーザーにダイレクトに店舗を認知させ、集客拡大につながる優秀な集客チャネルです。
ここでは、MEOとは何か?地図検索結果で上位表示させ、集客につなげるMEO対策のポイント、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の施策ノウハウについて解説します。
※Googleビジネスプロフィールの改良や進化は非常に早く、ローカルSEO/MEOの施策や考え方は非常に変化しています。
本コンテンツでは2024年度の最新情報を含め、常に最新情報にアップデートしています。
MEOとは?
MEOとは、Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)の略称で、主に地図アプリ(特にGoogleマップ)での検索結果において上位表示されるよう、様々な最適化施策を行い、店舗集客を向上させることを目的としています。
例えば、「地域名+サービス名/業種」で検索した場合、そのエリアに特化した地図検索結果が表示されます。実店舗を持つビジネスにとっては、特定の地域のユーザーや見込み顧客の獲得に大きく寄与します。
MEO対策は、地図検索上での評価を向上させることで上位表示を目指し、集客につなげる具体的な施策です。
MEO対策の具体的な方法については、後述します。
お店を探すユーザーの行動・購買プロセス
商品やサービスを購入するとき、お客様の多くは以下のステップを踏んでいます。
あなたがお店を探すときもおそらく似たようなプロセスではないでしょうか。
- 認知
- 興味・関心
- 評価・検討
- 行動
- 共有
このステップは、ローカルマーケティングにおいても大きく変わりません。
これらの各ステップで効果的なMEO対策を行うことが大事です。
まずは認知を上げて、興味・関心を引き出すことが最初の重要なステップとなります。
MEOの目的
MEOを行う目的は、店舗の集客を促進することです。
そのためには、以下の2つの視点で対策を行います。
- 検索対策としての視点(検索評価UPにつながる施策)
- 来店促進としての視点(来店・集客につながる施策)
① 検索対策としての視点
先程解説した購買プロセスの「認知〜興味・関心」のステップに該当します。
お客さんにお店の存在を知ってもらうことが最初の重要なステップです。
検索結果の表示順位を向上(上位表示)させることで、認知度が上がり、来店の可能性が高まります。
具体的には、多様なキーワードで関連性を高め、検索結果に表示されるようにします。
② 来店促進としての視点
購買プロセスの「評価・検討〜行動」のステップに該当します。
MEOでは、検索順位アップだけが目的ではありません。
最終目標は、検索ユーザーが店舗ビジネスに興味を持ち、実際に来客してもらうことです。
そのため、店舗集客につながる対策を実施し、順位を上げるだけでなく、店舗の魅力を最大限に伝え、来店したくなる要素をアピールすることが重要です。
MEO対策において、多くは上位表示だけの施策に陥りがちですが、この来店促進の視点を忘れないようにしてください。
MEOとローカルSEOの違い
MEOと同じような意味合いで、「ローカルSEO」とも呼ばれることがあります。
意味合いとしては近いものではありますが、ローカルSEOは地域性に特化したSEOを指し、MEOは、その中で地図検索に特化したGoogleビジネスプロフィールの検索評価を向上させ、集客につなげる施策全般のことを指します。
関連記事:ローカルSEOとMEOとの違いについて
MEOとSEOの対策内容の違い
SEO対策は、検索エンジンでキーワード検索をした際に、自社のウェブサイト(ウェブページ)を検索上位に表示させる施策全般のことを意味します。
MEO対策は、地図検索で自社のビジネス情報の順位を上げるなどしてプレゼンスを高めてアピールし、来店につなげる施策です。
対策内容は大きく異なりますが、地図検索の結果は、SEOで扱う通常のウェブ検索の検索結果でも上部に表示されることが多く、地域性の高い検索においてはSEOよりも大きなアドバンテージがあります。
MEOの特徴とメリット
スマートフォンの普及やモバイルユーザビリティの向上に伴い、店舗情報を探すユーザーにとって検索環境が便利になり、MEOのメリットも増えています。 特徴とメリットについて解説します。
- 検索ユーザーの商圏内の店舗サービスのみ表示される
- 優良顧客の集客効果が高い
- 口コミや星評価により店舗の信頼性を獲得できる
- SEOに比べて競合性が低いため対策しやすく費用を抑えられる
それぞれ解説します。
検索ユーザーの商圏内の店舗サービスのみ表示される
一般的な検索エンジンで店舗サービスを検索すると、検索上位は大手ポータルサイトやチェーン店などの大企業に占められています。
その中で、地域の中小店舗が上位を獲得することは困難な状況です。
しかし、店舗のWebサイトがSEOで上位に食い込めなくても、MEOやローカルSEOなら、ターゲットユーザーが検索する商圏内の実店舗のみがライバルとなるため、競合する大手企業に対しても互角に戦える施策です。
さらに、MEOの検索結果(ローカルパック)は通常のSEO検索結果より上のエリア、いわば、検索順位1位よりもさらに上の「検索順位ゼロ位」に地図情報と共に表示されることが多いため、視認性・認知度が非常に高く、集客も期待できます。
優良顧客の集客効果が高い
MEOやローカルSEOでは、「地域+業種・サービス」や「〜したい・〜へ行きたい・〜がほしい」といった欲求充足のキーワード検索が多く、今まさに必要としている来店確率の高いユーザーがほとんどです。
リアルタイムで店舗情報を探している優良顧客の来店や電話での問い合わせ、予約などのアクションにつながりやすく、集客の可能性が高くなります。
口コミや星評価により店舗の信頼性を獲得できる
地図検索の結果には、ユーザーからの口コミ投稿やレビュー(星評価)が表示されます。
ポジティブな口コミを多く獲得することで、店舗の信頼性が増し、集客に繋がりやすくなります。
Googleの口コミは重要な検索評価だけでなく、潜在顧客の意思決定に大きく影響するため、好意的な口コミを集めることはとても重要です。
SEOに比べて競合性が低いため対策しやすく費用を抑えられる
SEO対策では大手企業やポータルサイトなどが上位を占めており、競合性が高く上位にランキングさせるのは難しい場合があります。
また、対策内容も幅広く、コンテンツ作成や内部施策、メンテナンスなどコストもかかります。
それに比べ、MEOではターゲット地域に存在する店舗だけが競合となるため、SEOに比べ圧倒的に競合性も低く費用も大きく抑えられます。
MEOのデメリット
ターゲット地域を持たないビジネスは効果を得にくい
MEOは特定の地域をターゲットとした店舗集客に結び付けるビジネスに向いています。
そのため、店舗やターゲット地域を持たない業種、例えばネットショップのみのビジネス等はMEO対策の必要性はないでしょう。
ビジネスによっては口コミを得るのが難しい
飲食店などは利用者の口コミも得やすいですが、業種によっては口コミが得にくいものがあります。 また、良い口コミばかりではなくネガティブ評価のレビューやクレームなどが投稿される場合もあります。
とはいえ、MEOにはデメリットと言えるものはほぼなく、特定の地域をターゲットとしたローカルビジネスには大きなメリットをもたらします。
検索結果に地図情報(ローカルパック)が表示されるしくみ
まず、Google検索のローカルパックの表示のしくみを理解しておきましょう。
検索キーワードが地域や場所に影響を受けるタイプのキーワード、例えば「業種×地域名」「サービス内容×地域名」のようなものは、通常の検索結果画面(SERPs)の上部に地図情報とその近くの関連スポットのリストからなる「ローカルパック」が表示されます。
このような検索キーワードを「ローカルキーワード」と呼びます。
ローカルキーワードの例
例えば、「六本木+ラーメン」といった地域ワードと掛け合わせたものや、「歯科」「居酒屋」「美容室」「英会話」など、キーワード自体が地域との関連性が高い店舗・施設系の意味に該当するキーワードです。
地域情報に影響を受けるキーワードの例
- 飲食店(居酒屋、レストラン、カフェ、ラーメン店…)
- 教育施設(塾、カルチャーセンター、英会話、パソコンスクール…)
- 医療施設(病院、眼科、耳鼻科、歯科、整骨院…)
- 地域に密着する店舗・施設(美容院、スポーツジム、クリーニング…)
- 士業(弁護士、税理士…)
- 地域で緊急対応が必要な業態(鍵修理、水のトラブル…)
MEOのしくみと3つの評価ポイント
MEO(ローカルSEO)で評価されるポイントを解説します。
検索キーワードとの関連性(Relevance)
検索キーワードとどれくらい関連性が高いかを評価します。
まずはカテゴリとの関連性が重要ですが、ビジネスの種類により、関連するキーワードは多岐にわたります。
キーワードの検索意図や検索シチュエーションを考えて関連トピックを掘り下げ、細分化し、幅広く関連付けていくことが大切です。
検索される場所から店舗への距離(Distance)
検索ユーザーが検索している位置から、店舗がどれくらいの距離にあるかも評価要因です。
検索キーワードによっては、特に距離が優先されるものもあります。
店舗や企業の知名度(視認性:Prominence)
ビジネスが一般にどれくらい認知されているか、オンライン・オフライン問わずどれくらい知られているかが評価要因となります。
Google公式ガイドラインでは「視認性」と表現されていますが、具体的にはオンライン上に自社のビジネス情報が表示、掲載されているか、あるいは、口コミや評価としてSNSやポータルサイトに言及されている情報が多いか、などが評価されます。
参考:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
上記の要素のうちどれか一つというものではなく、キーワードにより3つの要素がそれぞれ作用し検索順位に大きな影響を与えます。
最新のMEO対策の具体的な方法
では、どのような施策を行っていくべきか、最新のMEO対策のやり方を具体的に説明します。
検索評価はもちろん、集客につながる重要な施策を含めて解説していきます。
Google検索の結果画面の「ローカルパック」に自分の店舗・ビジネスを表示させるには、地図検索で上位3位以内にランクインさせる必要があります。
検索評価を得るためには、関連性・距離・視認性の3つのポイント押さえてビジネスプロフィールを正しく運用していくことが大切です。
Googleビジネスプロフィールの登録と認証
地図検索でランキングされている店舗の情報を管理したり、そこで何かMEO対策をするには「ビジネスプロフィールの登録とオーナー認証」への登録が必要です。
Googleビジネスプロフィールの登録と認証方法について詳しく以下のコラムで解説しています。
カテゴリや基本情報を設定し、ビジネスプロフィール情報を最適化
MEO対策で重要なことは、ビジネスプロフィールに店舗情報を精緻に詳細に設定することです。
検索評価を得るためには、関連性が最も重要な要因です。
店舗情報の多くがキーワードや検索トピックとしっかり関連付けられるよう最適化しましょう。
ビジネスプロフィールの設定項目で特に注意する項目
- ビジネスカテゴリ
- 住所・マップピンの設定
- 営業時間
- 電話番号
- ウェブサイトURL
- メニュー/サービス/商品
これらの項目は、検索関連性に大きく影響する項目です。
ビジネスプロフィールの設定項目には、ガイドラインが定められていますので、違反しないよう正しく入力するようにしてください。
ビジネスカテゴリの設定
ビジネスカテゴリは、検索結果にダイレクトに影響します。
ビジネスプロフィールでは非常に多くのカテゴリが用意されていますが、自社ビジネスに最適なメインカテゴリを選択してください。
カテゴリがマッチしていない場合は検索結果に表示されない可能性があります。
サブカテゴリは最大9つまで設定が可能ですが、ビジネスにあまり関係のないものまで登録すると、効果を得られないばかりか、マイナス評価になる場合もあるので注意してください。
特に異業種の組み合わせは、実際にビジネスとして運営していても、評価を下げてしまう可能性があります。
写真や動画などイメージ訴求の充実
店舗の風景や、スタッフの写真、メニューや商品・サービスのイメージ画像など、多くの魅力的な写真や動画をオーナー自らが投稿していくことが大切です。
写真や動画は検索評価に限らず、ユーザーが実際に店舗に行くかどうか意思決定につながる重要な要素です。
美しい写真、感度の高いビジュアルは、競合店舗との差別化だけでなく、ユーザーの関心を引きつけ、検索結果でのクリック率向上や、来店アクションへのモチベーションに大きく寄与します。
写真はできる限り解像度が高く、過度な加工がされていない写真をアップするようにしてください。
口コミを集め、評価レビューを充実させる
ユーザーからの口コミ情報は検索評価や検索結果画面に大きく影響します。
Googleは多くの人から評価されるビジネスは、ユーザーに対して情報提供すべき有益な情報と判断します。
好意的で良い口コミが多いことは、知名度や高い、人気のある店舗としての検索評価だけでなく、ユーザーの来店アクションにつながります。
MEOの最終的な目的である集客にダイレクトにつながる要因ですので、積極的に口コミを集めましょう。
文脈に沿った具体的なキーワードを利用した口コミは、検索評価に大きく影響するため、口コミでは、サービスや料理、店舗の様子など具体的に書いてもらえるようにしましょう。
口コミに返信する
口コミの返信は、検索評価を高める直接的な影響はありませんが、こちらもMEOの最終目的である集客に大きく影響を与えます。
口コミの返信は、元の口コミを書き込んだユーザーだけでなく、店舗情報の画面を訪れる他の多くのユーザーの目にも止まります。
店舗の姿勢やビジネスの細かい情報が伝わりやすいため、返信コメントから店舗に関する新たな細かい情報も合わせて伝わるよう工夫してください。
口コミの返信率が30%高まることでユーザーのアクション率が2倍近く改善される例もあります。
投稿を活用した最新情報の訴求
ビジネスの魅力を伝えるためにも、最新情報をどんどんアピールし訴求してください。
投稿機能は、幅広い情報をGoogleビジネスプロフィールに掲載することができる、とても活用度の高い機能です。
キャンペーンの内容や店舗の特徴を細かく投稿し続けていけば、過去の投稿内容も検索結果に表示されるようになっていきます。
投稿では以下の2つの視点を意識して行いましょう。
カテゴリやキーワードとの関連性を向上させる
アピールできる情報があればキーワードを意識した文脈で投稿することで、トピックとの関連性が向上し、検索上位に大きく貢献します。
幅広い様々なキーワードとの関連性を向上させることで、必要としている検索ユーザーの目に止まる確率が向上し閲覧数の向上につながります。
ユーザーに有益な情報を提供し来店率(コンバーション)を向上させる
関連度が向上しビジネスプロフィールの閲覧数が増加してくれば、次は集客にダイレクトにつながるよう顧客に向けた有益な情報の提供を行いましょう。
これらの2つの視点を意識しバランスよく投稿施策を続けてください。
検索上位を目指すための対策ポイントと注意点
MEO対策で、さらに関連度を向上させ検索上位を目指すための必要なポイントを解説します。
ウェブサイト(公式サイト)の検索評価(SEO評価)を高める
MEOとSEOは、検索エンジンの異なるアルゴリズムに対応するものですが、マップ検索においては関連付けられた公式サイトのSEO評価も影響を与えるため、Googleビジネスプロフィールと公式サイトの両方で対策を行い、相互作用によって効果を高める必要があります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
NAP情報を統一する
NAPとは、Name、Address、Phone」の頭文字で、ビジネス名、住所、電話番号を指します。
これらの情報を正確かつ統一的に管理することが重要です。
- Name:ビジネス名(会社名・屋号・店舗名)
- Address:住所
- Phone:電話番号
Googleはウェブ上の様々な情報を収集し、それらを固有のビジネスに関連付けて認識します。
リンクされていない情報でも、NAPが統一されていればGoogleはそれらの情報が同じビジネスに関連すると認識でき、サイテーションと呼ばれる効果が得られます。
Googleビジネスプロフィールと公式サイトだけでなく、ポータルサイト(例:食べログ)など自店舗ビジネスの掲載媒体を増やし、NAP表記をできる限り統一しておく必要があります。
ビジネス名など多言語に対応する
店舗の顧客ターゲットが外国人旅行者などの場合、検索に利用しているデバイスやアプリ・ブラウザの環境は日本語ではなく、英語や中国語、その他各国の母国語になっていることがほとんどです。
Googleマップの情報も、ユーザーの環境に合わせた言語で表示されるように対応する必要があります。想定される外国語での検索順位最適化も見据えて、しっかり対策を行いましょう。
また、日本人と外国人とでは、同じ検索目的でも検索キーワードが異なることが多いです。
実際に来店された旅行客に、どのようなキーワードで検索したかなどの現地調査も忘れないようにしましょう。
Googleビジネスプロフィールでは、店舗情報を多言語で登録することができません。
多言語対応を設定する場合は、Googleマップ上で設定する必要があります。
以下の記事で詳しい多言語対策方法を解説していますので参考にしてください。
MEO対策の効果を「パフォーマンス」から確認する
MEO対策を進めていく上で、検索順位の変動状況の確認はもちろん重要ですが、お店の情報がどのくらい認知され、見つけられたかをGoogleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」から確認することも大切です。
以前は「インサイト」と呼ばれる集計データでしたが、2023年2月に「インサイト」から「パフォーマンス」に変わりました。
ビジネス情報の検索パフォーマンスに関するデータである点は同じですが、データの計測方法や集計基準が異なります。
パフォーマンスデータは、MEO対策の効果検証や現状分析に非常に重要ですので、定期的にチェックしてください。
まとめ
MEOは、店舗運営をしているビジネスにとって必須のマーケティング施策です 。
Googleビジネスプロフィールは、今後も機能が充実し、店舗集客施策において欠かせないツールとなるでしょう。
ぜひ、MEO対策を進めてみてください。