Google検索とGoogleマップの口コミ対策:その重要性と増やす方法
店舗運営事業者の皆さんにとって、Googleマップをはじめとする地図検索からの集客を実現するMEO対策は、今や不可欠な施策です。
特に、お客様からの口コミを増やし、Google検索やGoogleマップでの評価を高め、集客に結びつけていくことは、どの業界においても重要なMEO戦略となっています。
口コミは、Googleの店舗検索ランキングに影響を与えるだけでなく、検索ユーザーが実際にお店を訪れるかどうかの決定にも大きく関わります。さらに、ユーザーのアクション率(経路検索、電話、Webページへの遷移など)にも直接的な影響を及ぼし、集客力の向上に寄与します。
この記事では、Googleビジネスプロフィールにおける口コミの影響力と、Googleマップの口コミを効果的に増やす方法、さらにはお客様に書いてもらうための戦略について詳しく解説します。
口コミとは?クチコミの重要性
「口コミ」とは、一般的にはうわさや評判が口伝えに広まることを意味しますが、この記事では、特に店舗の商品やサービス、顧客対応に関する実際の利用者の印象や感想(良い点や改善点など)をウェブサイトやSNSに投稿するメッセージに焦点を当てます。
口コミを投稿できるプラットフォームには、店舗の公式サイト、Googleマップ、ポータルサイト、口コミサイト、SNSなどがあります。
これらのプラットフォーム上での口コミは、店舗の認知度、人気度、信頼度を高める上で非常に重要です。
「Googleの口コミ対策」を行う上で、その中でも好意的でポジティブな良質の口コミをどう集めるのか、ということについて説明します。
口コミはローカル検索ランキングの評価要因としてとても重要
こちらのローカルSEO調査レポートによると、ローカル検索ランキングにおいて「レビュー(口コミ)」は非常に重要な評価要因であり、公式サイトとほぼ同じくらいの重要性を持っています。
過去のデータからも、口コミの評価全体に占める割合は年々増加しており、その影響力は着実に高まっています。
これは、レビューが客観的な第三者からの評価であるだけでなく、店舗オーナーが提供するGoogleビジネスプロフィールの情報以外の重要なビジネス情報として、検索エンジン(特にGoogle)に認識されていることを意味します。
MEO対策で口コミが与える影響
MEOやローカルSEOにおいて、口コミがランキング要因や検索評価にどのように影響するかを掘り下げてみましょう。
MEO/ローカルSEOで重要な評価ポイントは以下の3つです
- クエリとの関連性
- 店舗との距離
- 視認性の高さ(知名度)
口コミは、特に「クエリとの関連性」と「視認性の高さ(知名度)」に大きく影響します。
クエリとの関連性による検索結果への影響
Googleビジネスプロフィールに投稿された口コミは、検索キーワード(クエリ)に関連する店舗情報として検索結果に表示されます。
この傾向は、検索条件を細かく指定した掛け合わせワードなどテールワードで特に顕著です。口コミの内容が検索結果に表示されることは、ランキングの向上やクリック率の増加につながります。
具体的なキーワードを含む口コミは、関連性を高める検索評価の資産として非常に価値のあるコンテンツとなります。
人気度・知名度による検索結果への影響
Google公式ガイドラインでは「視認性の高さ」と表現されており、ビジネスの知名度や認知度が評価されます。
口コミの数が多い店舗は、多くの利用者に支持されているとみなされ、人気度や知名度が高いと評価されます。そのため、自然かつ安定的に口コミを増やすことが重要です。
実際に、Googleは公式に口コミや星評価が検索ランキングの向上に繋がることを明記しています。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。Googleでのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。
Gyro-n MEOでは、店舗の日々の口コミ数の推移をグラフ化。獲得状況がひと目でわかります。
口コミの増加は店舗の詳細情報の充実につながる
口コミに含まれる情報は、店舗の詳細情報として扱われます。
特に飲食店の場合、ユーザーからの口コミや写真投稿が多いメニューは人気メニューとして扱われ、検索結果にも写真や口コミの内容が表示されます。
口コミを入れてもらう際には、具体的な写真も合わせて投稿してもらえると、より価値の高い店舗情報として蓄積され、検索評価の資産となります。
Googleの口コミ獲得によるメリット
Googleでの口コミを獲得するで、店舗はどのようなメリットを享受できるのでしょうか?
店舗の信頼性の向上
Googleマップに口コミが豊富な店舗は、人気があり、高い満足度のサービスを提供しているという印象を与えます。
ネットショッピングにおいて、8割以上のユーザーが口コミやレビューを参考にしているという調査結果もあり、購買行動の意思決定において口コミによる信頼性は大きな影響を持ちます。
集客力の向上
満足度の高い内容の口コミが多い店舗は、他店と比較して検索ユーザーに選ばれやすくなります。
口コミの数も重要ですが、質の高い口コミを集めることが特に重要です。
顧客とのコミュニケーションの強化
Googleの口コミにはオーナーからの返信が可能です。
口コミしたユーザーに丁寧に返信することで、コミュニケーションが活発になり、リピーターになる可能性も高まります。
ローカルSEOの評価向上
口コミ数が多く、評価が高い店舗は、視認性の高い人気店として評価され、検索ランキングにも大きく影響します。
口コミが多いということは、お客さまから見て店舗への信頼度が増し、来訪の意思決定にも大きく影響を与えるというメリットだけでなく、キーワードとの関連度の強化や知名度、人気度の向上など、検索評価にもダイレクトに影響を与えるメリットがあります。
口コミの獲得には非常に多くのメリットがあると言えるでしょう。
口コミのデメリットとその対処法
口コミを増やすことは多くのメリットをもたらしますが、いくつかのデメリットも存在します。
低評価や誹謗中傷のリスク
低評価の口コミや、事実無根の誹謗中傷が書き込まれる可能性があります。
ユーザーは、良い印象よりも悪印象やストレスを感じた際に口コミを書きやすい傾向にあります。
しかし、低評価の口コミは店舗の品質向上のための貴重なフィードバックとなり得ます。これらの口コミを真摯に受け止め、改善につなげることが重要です。
積極的な口コミ集めの必要性
店舗を運営している限り、一定数のクレームや誹謗中傷は避けられないものです。
しかし、良質な口コミは自然に増えるものではなく、積極的に集める必要があります。
マイナス評価の口コミの割合を下げるためにも、積極的に口コミを集める施策は重要です。
星評価の影響とその重要性
星評価は、利用ユーザーが店舗のおすすめ度を5段階で評価するシステムです。
星評価において、3は中央値として一般的に安心できる基準と見なされます。
しかし、星評価の総数(サンプル数)が少ない場合、評価は偏りがちです。
そのため、信頼性を高めるためには、ある程度の評価数を獲得することが重要です。
また、星評価の分布のバランス(分散度)も重要です。
例えば、平均評価が同じであっても、1と5の評価が極端に多い店舗と、3や4の評価が多く低評価が少ない店舗では、後者の方が一般的に安心できる評価を持った店舗として顧客から認識されるでしょう。
星評価とアクションの関係
星評価はもちろんできるだけ高い数値を獲得するのが望ましいですが、最低限どのくらいの評価が必要なのかをドイツの企業「Uberall」の興味深いデータからご紹介します。
星評価によるコンバージョン率の変化
※このグラフのコンバージョン率とは、ユーザー行動のアクション率(電話、ウェブサイトへアクセス、経路検索など)を指しています。
Googleビジネスプロフィールの評価では4.9でユーザーのアクションが最大化していますが、大きくコンバージョン率が上がるポイントは、4.3から4.4です。この前後でコンバージョン率は25%上昇します。
星評価によるコンバージョン率と1年間の成長率の変化
次は、星評価の値が1年間でどれくらいのアクションの改善につながったかを調べたデータです。
ここでは、最も高く前年比の改善が得られたのは3.7の評価範囲です。(赤の折れ線グラフ)
つまり、一般消費者が星評価から信頼できる店舗だと判断する基準は、3.7がしきい値となっていると考えられます。
目安としては、店舗の星評価は3.7以上を目指していきましょう。
Googleにおける口コミ返信の重要性とその効果
Googleビジネスプロフィールでは、オーナーが口コミに返信することができます。評価の高低にかかわらず、すべての口コミに返信することが重要です。
高評価の口コミのみに返信し、低評価のものには返信しないでいると、逆に店舗のイメージ低下やブランドを毀損する結果となりますので注意しましょう。
口コミへの返信は、リピーターを増やすことに繋がる
口コミに返信すると、口コミを投稿してくれたユーザーにはダイレクトに通知が届きます。
お店からの返信があったことが伝わると、店舗へのエンゲージメント(好意や愛着心)が高まります。
高評価で投稿してくれたユーザーは、もともと店舗に対して好印象を持っているので、店舗からの返信があったことでリピーターになってもらえる可能性が高まります。
さらなるサービスの紹介とPRの機会
口コミへの返信は、口コミをした本人だけでなく、他の多くの検索ユーザーも見ています。
特に同じ属性のお客様に対しては、店舗のサービスをより詳しく紹介するPRの場としても利用できますので、積極的に返信しましょう。
※口コミの返信は検索評価に直接影響しませんが、お客様に与える印象や内容が重要です。キーワードの検索評価を狙った書き方ではなく、実際に目にしたお客様に対する印象を重視してください。
口コミ返信の例(ベストプラクティス)
例: 「美味しかったけど、連れていった小学生の娘が食べられるものが少なかったのが残念。」
↓
返信例: 「ご来店ありがとうございました。お酒に合わせやすい大人向けのお料理が多いですが、だし巻き卵やチヂミ、海鮮焼きなどはお子様連れのお客様にもご好評いただいておりますので、次回はぜひお試しください。ソフトドリンクや食後のアイスなども種類が多くございます。」
一部のサービスが合わなかったという意見に対して、そのお客様にもお勧めできる他のメニューやサービスなどを案内することで、この返信を見ている同じ属性のお客さまにもお店の特徴的なメニューやサービスを伝えることができます。
このような、店舗オーナーやスタッフだからこそ発信できる細やかな情報を、口コミ返信を利用して公開していきましょう。
口コミしやすい環境が、さらなる口コミ増加につながる
丁寧な口コミへの返信は、他のユーザーが口コミを投稿しやすい環境を作ります。これにより、口コミを書くことをためらっているユーザーも投稿を促すことができます。
口コミを見て来店したユーザーがまた口コミを書く、といった好循環が生まれます。
店舗の対応や姿勢が伝わり、信頼度が増す
高評価、低評価にかかわらず丁寧に口コミへの返信を対応することで、お客様に対する店舗の真摯な姿勢やオーナーの人柄が伝わり、店舗やブランドの信頼度が増します。
口コミへの返信はアクション率の改善に繋がる
口コミ返信が店舗への集客やアクションにも大きく関係することを示すデータがあります。
企業規模にもよりますが、口コミ返信の割合が10%前後ではアクション(電話、ウェブサイトへのアクセス、経路検索など)率は約3%程度に止まりますが、返信率が30%では5〜6%までアクション率が上昇するという結果が出ています。
口コミの返信を丁寧に行うことで店舗の信頼性は高まり、来店への心理的なハードルが下がって集客に繋がっていることがわかります。
「口コミを増やす」、「口コミを書いてもらう」ための戦略
これまでに口コミやその返信がMEO評価やユーザーの意思決定に与える影響について解説しました。
では、具体的に口コミをどのように獲得し、増やしていくことができるのでしょうか?
以下に、具体的な口コミの集め方、口コミを書いてもらう方法をご紹介します。
Googleの口コミ獲得のガイドライン
口コミを集める方法としてやってはいけないことがあります。
これは口コミに限らずGoogleビジネスプロフィール全体に関わるポリシーですが、偏見のない正しい情報を検索ユーザーに伝えるため、Googleはユーザーの不利益になるようなことをガイドラインで禁止しています。
具体的には、実際には店舗を利用していないユーザーや店舗関係者による自作自演の口コミの禁止、良い口コミを書いてもらうために謝礼や割引などの対価を払う行為全般の禁止がガイドラインで明確に規定されています。
このようなやり方で口コミを集めるとペナルティの対象になります。間違ってもこうした行為はしないでください。
口コミの獲得方法1:直接お願いする
業種やビジネスカテゴリによっても状況は異なりますが、基本的に放っておいてもなかなか口コミは自然には増えません。
口コミを集める方法としてまず第一に大切なのが、店舗関係者やオーナーから、サービスを利用した顧客に対して直接口コミ投稿をお願いすることです。
様々な方法で常にお客様に口コミ依頼をアピールし続けることを店舗運営のフローの一部として取り入れてください。
最初はなかなか口コミが集まるのに時間がかかると思いますが、一定数の口コミが入ると、それを見て来店したお客様がまた口コミを書いてくれるといった良い循環が生まれてくるでしょう。
口コミの獲得方法2:QRコードを活用する
口コミを書いてもらうためには、できるだけ手軽に口コミ投稿できるしくみを整えるのも有効です。
Googleビジネスプロフィールの口コミ投稿用URLをQRコードで作成して店頭に掲示しておく、などの方法でお客様に伝えましょう。
Googleビジネスプロフィールの口コミ投稿用URLの作成方法
Googleビジネスプロフィールのホーム画面に表示されている「クチコミを増やす(最初のクチコミを獲得する)」から「プロフィールを共有」をクリックすると投稿用URLが表示されますので、それをコピーして利用してください。
※Googleビジネスプロフィールの管理画面は2022年秋に廃止され、現在ではお店の検索結果画面からの操作となっています。
口コミの獲得方法3:SMS(ショートメール)で依頼する
顧客情報として電話番号を取っているなら、SMSを利用して依頼することで口コミが集まる確率が上がります。
SMSは、迷惑メールも少ないことから、Eメールに比べて開封率が非常に高い傾向があります。
特に、実際に足を運んでサービスを利用したり食事をした店舗のことはお客様の記憶にも鮮明に残っているため、口コミを書いてもらえる確率は非常に高いです。
口コミの獲得方法4:チラシやPOPで投稿を依頼する
店舗内のお客様の目につく場所(テーブルや出入口、レジ周り、お手洗いなど)に、チラシやポップ、フライヤーなどを配置して口コミ投稿を常に意識してもらえるようにしておきましょう。
様々な業種に向けたパワーポイント形式のテンプレートをご用意。
ダウンロードして自由にアレンジしてご活用いただくことが可能です。
お客様に口コミを依頼する際の効果的なアプローチ
お客様に口コミを依頼する際の重要なポイントは、具体性を持たせることです。
ぼんやりとした依頼ではなく、サービスや商品に関する具体的な感想を求める言い方を工夫しましょう。
具体的な言葉が含まれる口コミは、検索キーワードとの関連性を高め、検索評価にポジティブな影響を与えます。
効果的な口コミ依頼の方法
口コミを依頼する際には、SMSや店頭に置いたフライヤーなどの文章も工夫が必要です。
例えば、「どのサービスを利用して、どのような印象を持ちましたか?」といった形で、具体的な体験に基づいた口コミを書いてもらえるように促しましょう。
このようなアプローチは、他のお客様にも役立つ口コミを生み出す可能性が高くなります。
低評価やネガティブな口コミへの効果的な対応
低評価の口コミが投稿されてしまったら、まずしっかりとその内容を確認し、店舗の改善に役立てるようにしましょう。
また、必ずオーナーから返信し、誠実な対応をするように心がけてください。
ネガティブな口コミにも真摯に対応することで、他の検索ユーザーに対しても良い印象を与えることができます。
誠実な対応は、店舗の信頼性と顧客サービスへの真剣な取り組みを示すものとなります。
不正な口コミをチェックするGoogleのしくみとは?
Googleは口コミ情報の有益性と正確性を担保するために、機械学習を用いてポリシー違反などをしていないか、不正な口コミをチェックしています。
機械学習モデルは常にトレーニングされていて高い精度を実現していますが、ポリシー違反の口コミを見つけた場合にはGoogleに報告してください。
まとめ
口コミは、MEO対策において非常に効果的な手段です。
それは単に検索ランキングを向上させるだけでなく、ユーザーの来店モチベーションを高め、最終的な集客につながる意思決定に大きく影響します。
口コミは、最初はなかなか増えなくても、地道に集める努力を続けることで、店舗ブランドの価値を大きく高める資産となって残っていきます。
Googleの口コミ獲得とそれに対する返信には、特に注力することを強くおすすめします。
これらの取り組みは、長期的に見て店舗の信頼性と評判を築く上で不可欠な施策となります。